上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 --_--_--



DSC_1698.jpg作:ジョン・フォード
翻訳:小田島雄志
演出:栗山民也
出演:浦井健治 / 蒼井優 / 伊礼彼方 / 大鷹明良 / 春海四方 / 佐藤誓 / 西尾まり / 浅野雅博 / 横田栄司 / 宮菜穂子 / 前田一世 / 野坂弘 / デシルバ安奈 / 石田圭祐 / 中嶋しゅう / 川口高志 / 頼田昂治 / 寺内淳志 / 峰崎亮介 / 坂川慶成 / 鈴木崇乃 / 斉藤綾香 / 高田実那 / 大胡愛恵

小劇場中心に観ていた自分が、浦井くんのファンになって、まずシェイクスピア(トロイラスとクレシダ)を、そして今度は、なんだなんだ?エリザベス朝演劇?
もうすっかり自分の観劇の幅が広がってしまった。
そして、翻訳物を苦手としていた自分が、こんなにもこの約400年前に書かれたという外国の戯曲の公演に夢中になるとは思いもよらず…。
長い間生きてきたけど、まだまだ思いがけない事ってあるものだとしみじみ思いました。

何がこの舞台を好きにさせるって、役者たちの演技、演出、美術、照明、雰囲気を盛り上げるマリンバ、もぉ、みんなみんな素晴らしすぎて見応え十分ってところ。
1幕90分、2幕75分、とにかくずっと空気が張りつめていて、空気が重いというか・・暗いのに、絵画を見ているかのような鮮やかな美しさもあって目をそらすことができない。固いシートにがんじがらめになって毎回観ていました。
もちろん、バーゲットのようなお馬鹿キャラは笑いを誘うシーンもあって一瞬気も緩むんだけど、他は復讐とか欲望とか腹黒い人だらけ。浦井くん演じるジョヴァンニはそうではなかったとしても、妹への愛情に苦しむその背中から終始緊張感が出ていて、それはまるで黒い霧がかかっているよう。
でもこの悩む姿が美しいんだ。。(ファンなのでこの気持ちは抑えられない)

そして舞台美術。
下手から中央に広く大きく伸びる赤い十字架が目を引き、下手前方列に座った時思ったのだけど、ゆるく傾斜しているその道が、厳しく遠い道に思えるようなまっすぐに伸びた坂道でした。
この坂道を、1幕冒頭でアナベラは華麗にステップを踏みながら進んでいくが、2幕は苦しみながら進むが外へ出れない閉塞感となる。
十字架の赤は血の色かとさえ思えてしまう。
アナベラとジョヴァンニは、この十字架の上だけで愛を語り確かめ合い、そして別れる。
ずっと、十字架の重みを背負っているという意味なのかしら。
そしてジョヴァンニが死する時は、放たれるかのように十字架の外で息絶えるんですよね。
意図的な演出なのかはわからないけど、限られた空間で表現されている二人の純愛はそれだけ重いものに感じました。
十字架以外には、舞台奥の扉が左右上下に開くってのも面白い。
ラスト、ジョヴァンニが剣にアレを刺してやってくる時の重い扉が開くあのゾクゾク感。
そしてバックの照明の赤。。
あのシーンはとてつもなく好き。
照明も、全体的にもう、ほんっと、きれい。
特に下手壁に映し出されるシルエットは素敵だった。
祈りをささげるアナベラ、ジョヴァンニとアナベラの最後のキス、本当に美しくて、演者とシルエットとどっち観たらいいの?って迷うくらい。でも演じている方はかなりキツイポーズだよなーと、インタビューでも時折そんな話をされていたことを思い出す。
照明と言えば、客電が明るくなって、枢機卿が「パルマ市民の方々」と観客の私たちに向かって言うそれがもぉ、怖くて怖くて。

そしてそして、役者の方々。
まずは横田さん。最後全部彼が持って行った。ズルイ、笑
伊礼くんもとってもイケメンで役にぴったり。アナベラとの言い争いは好きなシーンの一つ。
バーゲットの野坂さんも熱演だった。
アナベラの蒼井優さんもまた、美しくて。。まさしくアナベラだった。
浦井くんは、とにかくまず舞台自体がジョヴァンニの修道士への告白から入るので冒頭から涙を流しているのに気付いた時驚きで声が出そうになったくらい。
そして、アナベラと愛を確かめ合った以降のジョヴァンニの色気っぷり。
あれ?浦井くんってこんなに色気あったっけ?と、失礼ながら思ったりして・・。
美しくて、官能的で、透明感があって、近親相姦という言葉を忘れてしまいそうなくらい、観ていて気持ちの良いものだった。
それと、やはりここに記しておかなければと思うのは、2幕終盤、アナベラの部屋に行ってから最期までのジョヴァンニの心の動き。
これは素晴らしい!!!!!!感動でふるえます。
部屋でのシーンでは、結婚したアナベラに対して不実な妹だと嘆き、愛をささやき、アナベラも腹の子も刺して自分の物としながらも、アナベラの死に叫び、戸惑い、悲しむ姿、ジョヴァンニの全てに引き込まれました。
特に、刺されて苦しむアナベラをさすったり背中をポンポンとしたり、抱きしめたり・・、もう、思い出すだけでも涙出そう。
このシーンはホンと好きで、浦井くんの熱演がとてつもなく素晴らしくて、浦井健治ブラボー!と言いたい気分。
そして、アレを刺して皆の前に登場してからの正気でない、いっちゃってるジョヴァンニ。
周りの動揺に反して落ち着き払ってるのが逆に怖くて、もう目が離せない。
でも、最期は怖くて凝視できないほど。

もうね、すごい。
近親相姦だし、心臓食べちゃうし、グロいといえばそうかもしれないけど、自分はそこまでのグロさは感じず、ジョヴァンニとアナベラの近親相姦の周りでうごめくダークな人たちの群集劇という見方が強く印象に残って非常に面白みを感じました。
周りがダークであればあるほど、ジョヴァンニとアナベラの透明感が際立つし、ジョヴァンニとアナベラが純愛であればあるほど周りの人間の愚かさが際立つ。
舞台は進化するというけど、この点が「あわれ彼女は娼婦」に関しては進化している点ではないかと、複数回観て思ったりもしました。
観るのは疲れるし、終わってからも重くてしばらく立ち上がれないんだけど、何度でも見たくなる不思議な中毒性もあるような気がします。
演者・スタッフ、全てにおいて上質な空間を堪能できるという観客冥利に尽きる3時間5分。



スポンサーサイト
 2016_06_22




05  « 2016_06 »  07

SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 - -

プロフィール

ねこ

Author:ねこ
お昼寝好き^^

★ねこのつぶやき★

観劇

目標!月1回観劇☆

観劇予定~
■11月/『ダンス・オブ・ヴァンパイア』@帝劇/ヨーロッパ企画『遊星ブンボーグの接近』@KAAT/『ヘッズアップ』@KAAT
■10月/ヨーロッパ企画『遊星ブンボーグの接近』@本多劇場/スーパー歌舞伎『ワンピース』@新橋演舞場/『くちづけ』@池袋サンシャイン劇場
■9月/TEAM NACS『悪童』@ライブビュ-イング/『RENT』@シアタークリエ/イキウメ『語る室』@東京芸術劇場
■8月/『トロイラスとクレシダ』@世田谷パブリックシアター/『トロイラスとクレシダ』@滋賀芸術劇場びわ湖ホール/劇団☆新感線『五右衛門VS轟天』@赤坂ACTシアター

2015年
■7月/マクベス@PARCO劇場/『トロイラスとクレシダ』@世田谷パブリックシアター
■6月/『ラヴ・レターズ』@PARCO劇場/劇団鹿殺し『彼女の起源』@CBGKシブゲキ/東海道四谷怪談@新国立劇場中劇場/BluePrint『鬼ヶ島』/大人計画『不倫探偵』@本多劇場
■5月/電動夏子安置システム『モナークス、王を縛る』@駅前劇場/『シャーロックホームズ2』@東京芸術劇場/イキウメ『聖地Ⅹ』@シアタートラム/『夜想曲集』@銀河劇場/『ローゼンクランツとギルデンスターンは死んだ』@駅前劇場
■4月/『デスノート』@日生劇場
■3月/『BAMBI TIME-バンビタイム-』@ザ・ポケット/『地下室の手記』@赤坂レッドシアター
■2月/『いやおうなしに』@PARCO劇場/『狂人なおもて往生をとぐ』@東京芸術劇場 ■1月/演劇ユニット乱『365000の空に浮かぶ月』@本多劇場

2014年
■12月/演劇ユニット乱『365000の空に浮かぶ月』@本多劇場/大人計画『キレイ』@シアターコクーン/イキウメ『新しい祝日』@東京芸術劇場/muro式8@紀伊国屋ホール
■11月/月影番外地その4『つんざき行路、されるがまま』@スズナリ
■10月/ヨーロッパ企画『ビルのゲーツ』@神奈川芸術劇場
■8月/ヨーロッパ企画『ビルのゲーツ』@本多劇場/大人の新感線『ラストフラワーズ』@赤坂ACTシアター
■7月/『抜け目のない未亡人』@新国立劇場/『鎌塚氏、振り下ろす』@本多劇場
■6月/BluePrint『Monkey Magic』@シアターグリーン/イキウメ『関数ドミノ』@シアタートラム
■5月/『ロンサム・ウエスト』@新国立劇場
■4月/張ち切れパンダ『じじいに幸あれ!』@「劇」小劇場/劇団☆新感線『蒼の乱』@東急シアターオーブ
■3月/諏訪ミュージカル企画『夢! 鴨川歌合戦』@駅前劇場/キャラメルボックス『ヒトミ』@サンシャイン劇場/スーパー歌舞伎『空ヲ刻ム者』@新橋演舞場
■2月/真田十勇士@梅田芸術劇場
■1月/真田十勇士@青山劇場

2013年
■12月/高校中パニック!小激突@PARCO劇場
■10月/ロストインヨンカーズ@PARCO劇場/
■9月/ハイバイ『月光のつゝしみ』@神奈川芸術劇場/ヨーロッパ企画『建てましにつぐ建てましポルカ』@本多劇場/葛河思潮社『冒した者』@神奈川芸術劇場
■8月/muro式.7『「∴」-ユエニ- 』@シアタートラム/『春琴』@世田谷パブリックシアター
■7月/TRASHMASTERS『極東の地・西の果て』@本多劇場/『ドレッサー』@世田谷パブリックシアター
■6月/『断色』@青山円形劇場/BluePrint『DORON!』@SPACE107/@イキウメ『獣の柱 まとめ*図書館的人生(下)』@シアタートラム
■5月/ハイバイ『て』@東京芸術劇場シアターイースト/『バブー・オブ・ザ・ベイビー』@本多劇場/酒とつまみ『もうひとり』@OFFOFFシアター
■4月/シスカンパニー『今ひとたびの修羅』@新国立・中劇場
■3月/ジェネレーションギャップ『アトノマツリ』@シアターサンモール/ヨーロッパ企画『前田建設ファンタジー営業部』@イマジン・スタジオ
■2月/『デキルカギリ』@本多劇場
■1月/劇団☆新感線『五右衛門ロックⅢ』@東急シアターオーブ

2012年
■12月/BluePrint『死神パレード』@アドリブ小劇場/ヨーロッパ企画『月とスイートスポット』@本多劇場
■11月/『RENT』@シアタークリエ/『こどもの一生』@PARCO劇場
■10月/東京セレソンデラックス最終公演『笑う巨塔』@池袋サンシャイン劇場
■9月/『サイケデリック・ペイン』@池袋サンシャイン劇場/『サイケデリック・ペイン』@森ノ宮ピロティホール
■8月/『サイケデリック・ペイン』@池袋サンシャイン劇場
■7月/muro式.6『グラフ』@ザ・スズナリ
■6月/劇団☆新感線『シレンとラギ』@青山劇場/BluePrint『アグレソの石』@SPACE107
■5月/劇団☆新感線『シレンとラギ』@青山劇場/『シダの群れ』@シアターコクーン/朗読劇『私の頭の中の消しゴム』@天王洲銀河劇場
■4月/ジェネレーションギャップ『思い出すのはマリの事』@シアターグリーンBASE THEATER
■3月観劇なし
■2月/『パレード』@シアタードラマシティ/モダンスイマーズ『ロマンサー』@シアタートラム
■1月/『パレード』@天王洲銀河劇場

2011年
■12月/『アイドルかくの如し』@本多劇場
■11月/muro式.5『+』タス@シアターグリーンBIG TREE THEATER
■10月/花組芝居『聖ひばり御殿』@銀座博品館劇場
■9月/ヨーロッパ企画『ロベルトの操縦』@本多劇場/東宝セレソンデラックス『わらいのまち』@シアタークリエ
■8月/『奥様お尻をどうぞ』@本多劇場/『奇ッ怪-其の弐』@世田谷パブリックシアター
■7月/東京セレソンデラックス『傷-KIZU-』@シアターサンモール/『ベッジ・パードン』@世田谷パブリックシアター
■6月/劇団K助『ゴッドストーリー』@恵比寿エコー劇場
■5月観劇なし
■4月/『芝浦ブラウザー』@東京グローブ座
■3月観劇なし
■2月/『テンペスト』@赤坂ACTシアター
■1月観劇なし

2010年
■12月/『黴菌』@シアターコクーン/『RENT』@中日劇場/劇団K助『ゼロイチ』@恵比寿エコー劇場/大人計画『母を逃がす』@本多劇場
■11月/『RENT』@兵庫県立芸術センター
■10月/『RENT』@シアタークリエ
■9月/観劇なし
■8月/第8回亀治郎の会@京都春秋座/第8回亀治郎の会@国立劇場/ヨーロッパ企画『サーフィンUSB』@本多劇場
■7月/東京セレソンデラックス『くちづけ』@シアターサンモール
■6月/劇団K助『PINK』@恵比寿エコー劇場
■5月/KAKUTA『めぐるめく』@シアタートラム

にほんブログ村

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:




.

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。