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「日輪の遺産」

Category: 映画  

20110824074310_07_400.jpg原作:浅田次郎「日輪の遺産」
監督:佐々部清
出演:堺雅人/中村獅童/福士誠治
ユースケ・サンタマリア/八千草薫/麻生久美子 他

日本の復興を願った人たちのお話。

昭和20年8月。終戦間際。真柴少佐(堺雅人)と小泉中尉(福士誠治)は軍部中枢の錚々たるメンバーから日本の敗戦を告げられる。そして、戦後復興のために、マッカーサー元帥から奪取した900億の財宝を隠匿せよと密命を受けた。
2人は望月曹長(中村獅童)と共に次々届く命令に沿って隠匿準備を実行する。
そして、財宝を隠すために呼集されたのはまだ13歳の女学生20名だった。
彼女らはそれが財宝とは知らされずに、本土決戦用の兵器と教えられ、細いその腕でひたすら重い荷物を運び続けた。
彼女らの頭には「七生報国」と書かれたハチマキ。
真柴ら3人は女学生たちの思いのためにも、この任務を無事遂行しようと強く思う。
そして終戦を迎える前日、任務を終えようとしていた真柴らに女学生たちへの非情な命令が届いた。
彼女らの運命は。
真柴、小泉、望月3名の思いは。
――2011年3月。
それまで決して語られることの無かった日本復興を願う人々の思いが、真柴が残した手帳から明かされる・・。

-----------

戦争ものというと、戦いの悲惨さを表していたり戦地へ赴く者やその家族の哀しみとかを想像してしまうけれども、この作品は違いました。
反戦を訴えるのではなく、逆に、戦争をしている自国のため家族のためを思う純粋な心を表した人間ドラマ。
その思いが、痛いほど伝わって、涙なしでは観れない。
観終わった後に、一種の爽快感さえもうまれます。この作品で流した涙は、きっと悲しみが理由でないからなんだろうな・・。

3.11の大震災があった後だけに、日本復興を願う少女や大人たちの気持ちに対して傍観者でいられませんでした。
鬼となって財宝を守ろうとした少女たちの最期の姿や、小泉中尉が命を賭けてマッカーサーに挑戦したその姿をみると、本当にあった話のように勘違いしてしまいそう。
また、梅津参謀総長の最後の命令「幽窓無暦日」も、これは梅津氏の枕元に本当にあったメッセージのようだが、軍部中枢幹部らの深い思いが伝わってくるようでした。

もしこれが、あの震災がないままに公開されていたとしたら、どうだったのだろう?
国を思う気持ち、「愛国心」という言葉があるけれど、日本人はシャイなのか冷めているのか・・いや、自己中心的になりがちな現代、正直にその言葉を使おうとするうと一歩引いた感じになる。劇中出てくる純粋な気持ちに対して、何かが邪魔してここまでストレートに伝わってくれないんじゃないかと思うと、このタイミングで公開されたというのは良かったのかもしれません。
こういう運をこの作品は持っていて、運だけではない更にそれを大きな感動へと繋げる力強さも持ち合わせているような気がしました。

自分と同じ年頃の敵国の少女たちをも思いやり、戦いを終わらすことは恥ずかしくないとマツさんが意見するシーンにハっとさせられました。
大和魂などど精神論を盾に戦いを進めようとする軍人よりもよっぽど落ち着いて物事をよく理解している。
戦いからは何も生まれないということを改めて思い知らされた感じです。
でも・・負けてしまった日本が生まれ変わるために、財宝を守るために、果たして命まで落とす必要があったのかしら・・。
怖かったろうに・・でも、七生報国なんだよね・・。
手と手を取り合って離れずに逝くことで背にした財宝を守るんだ。
マッカーサーが発見した骨ばかりとなった彼女らの最期の姿から思いがひしひしと伝わってくるようで本当に胸を打たれました。
原作を読んで、想像していたものと違和感なく表現されていて、それが余計に涙を止まらなくしていたかも。
でもそれが可哀想とかそういうものではなくて、ただただ、彼女らの純粋さに感動したという気持ち。

それにしても・・少女たちの笑顔が可愛らしかった。
どんなに美人な子でも、心からの笑顔にはかなわない。
プロモーションで話題が出ていた敬礼シーンで好きな人を見るというあの演出は、ニクいほど効いてる。

少女たちの事ばかり言ってしまったけど、この映画は全キャストが素晴らしかったというのが特徴。
冒頭シーン。ガタガタと震える小泉の軍刀の音を鎮めようとそっと手を添える真柴のあの凛々しい表情。
温和なイメージしかなかった堺雅人さんの新しい一面が見れたような気がしました。しかもこんなに険しい表情が美しい俳優さんも珍しいですね。新しい発見です。

一見ガサツそうな赤鬼さんコト望月曹長も、物静かな口調が余計に男っぽさが引き立って、女学生役の子たちから人気ナンバーワンになるのもわかる気がしました。
あと、赤鬼さんと久枝のお風呂場での清掃シーン。
何気に久枝が「そっちお願いします」と赤鬼さんに命令しているところが、現代シーンで「うちは女系家族で婿は大変」と金原家に婿に入った荘一郎(北見敏之)が言っているところの伏線になっている気がして、密かにお気に入りのシーンです。
赤鬼さんが本当に最後の最後まで久枝を見守ったのだというのがよくわかる葬儀のシーンは、何度観ても泣けます。

福士くん演じた小泉中尉は真柴少佐や望月曹長とは違って経済のエキスパートなだけに、どこか頭でっかちなイメージの軍人を良く表現されていたように思いました。白スーツも恰好良く着こなし、まっすぐな青年を好演。
壕での事件後の小泉中尉の表情は必見。
この時の思いが、あのマッカーサーと対峙した時の微動だにしない表情と決意に繋がるのだと思うと納得がいくし、このマッカーサーとのシーンは本当に感動的でした。小泉の気持ちが伝わって泣かずにはいられないところ。
これをワンテイクで撮ったというのだから素晴らしい。

最後の現代の久枝が亡き級友や恩師と対面したシーン。
最初観た時ファンタジーのように見えて実は違和感を覚えて必要性がよくわからなかったのだけれど、2度目観た時には無くてはならないシーンだと思いました。
このシーンで久枝は本当にあの命令から解放されたのではないかと・・。
このシーンで、少女たちも安心して天へ召されたのだろうな・・と。
それから続くラストシーンのまぶしい木漏れ日が、美しく感動的で、最後の最後にまた涙腺を刺激させられる・・というものでした。


温かな作品。
そして、
出来れば一人でも多くの若い人たちに観てもらいたい作品。
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 2011_09_26


Comments

hsさま~ 

いつも拍手コメント有難うございます。
対峙シーンがワンテイクという裏話がFLIXplus vol.7に載ってますから、読んでみてくださいね。この本は福士くんの写真も良いし、オススメですよ☆

そうそう。
もっとすごい話は、福士くん、日輪の遺産の撮影中一度もモニターチェックしなかったんですって。
佐々部監督への全幅の信頼の現れですよね。役者としてどれだけ集中していたかも想像できそうなくらいですよね。それがすごいと思いました。
小泉中尉といい、宇佐見警視といい、同じ人が演じてるとは思えないくらいですよね。

私も大大大好きな作品になりました。
ねこ  URL   2011-09-28 00:49  

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■1月/『パレード』@天王洲銀河劇場

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■10月/花組芝居『聖ひばり御殿』@銀座博品館劇場
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■7月/東京セレソンデラックス『くちづけ』@シアターサンモール
■6月/劇団K助『PINK』@恵比寿エコー劇場
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